EVENT イベント 2010/11

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2010.11.3 wed〜11.7 sun 11:00〜19:00

懐かしいハンカチ展
KAORI ONODERA COLLECTION

ハンカチと共にヴィンテージファッションアイテムも販売いたします。お洒落な1点ものばかりですので、どうぞお楽しみに。

懐かしいハンカチ展 KAORI  ONODERA COLLECTION

1930〜50年代は、アメリカのハンカチの最盛期でした。
20年代にはNYやシカゴでは”ファッション”が誕生し、音楽界にはジャズが生まれ市民の生活にも電気が普及するなど、時代の動きがヴィクトリアンの時代までとは大きく変わり始めました。

1929年の大恐慌後、多くの失業者を出しながらも、高まるファッションの需要と生産技術の向上によって、それまでは白地に刺繍やレースを施したものしかなかったハンカチも、30年代に入って大量に安いプリント・ハンカチが作られるようになりました。
またVogueマガジンに大手ハンカチ・メーカーが宣伝広告をうつなど、カタログ販売によるハンカチの売れ行きにも拍車がかかりました。
第二次世界大戦中もSearsやMontgomery Wardなどデパートのカタログには、花柄や子供のハンカチなど、暗い時代を感じさせないようなデザインがたくさんありました。

終戦後はそれまで主流だったカタログ販売から、デパートでハンカチを買う時代が到来します。
50年代に入るとデザイナーのサインのある大判でとてもモダンなデザインのハンカチが価格も高めに差別化をねらって登場し人気を博しました。又、車の大量生産に伴って旅行も一般化したので、各地でお土産ハンカチなども出回りました。
けれど60年代以降ハンカチとティッシュ・ペーパーの交代で時代は大きく変わりました。
衛生的、合理的の名の下に、消費経済の波に乗って大量のゴミ生産国となったアメリカ。
そしてあの頃の技術や人間味溢れるデザインは置き去りにされたまま、ハンカチというリサイクルな存在そのものがアメリカから消えてしまったことは本当に残念でなりません。

あの頃のハンカチを手にとってみると、デザイン性、色使いなど遊び心いっぱいの心豊かな時代を感じることができます。また今の技術をもってしても作れないような繊細なリネンやコットン地は、手に優しいその薄い感触がとても魅力的です。
懐かしいハンカチは今のアメリカが置き忘れてきてしまった大切なものの一つ・・・
ぬくもりと心のゆとりの時代性を求めてこれからも「懐かしいハンカチ」探しは続きます。

小野寺かおりプロフィール

東京出身、1981年渡米。
'84年からニューヨークのFIT(ファッション工科大学)に学び、ファッション関係の仕事に携わる。
'92年ロサンゼルスに移り、フリーのバイヤーとして活動。
生来のアンティーク好きで、長年にわたりハンカチ、ボタンなどをコレクションする。集めたハンカチは1500枚を数える。

著書

Old time hankies 懐かしいハンカチ(文化出版局)

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