SCHEDULE

2016.10.24 mon〜11.6 sun

EXHIBITION

眞鍋 恵美子 展「稲光と虹」

眞鍋 恵美子 展「稲光と虹」

日 時 2016年10月24日(月)〜11月6日(日)12:00〜19:00
※最終日17:00まで
会 場 Galerie Lã(ギャルリーラー)
東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル601

トライアングル 眞鍋恵美子に寄せて

眞鍋恵美子の墨の作品に初めて出逢った時、少年時代目撃した、雪の上に投げられ、墨を吐きながら体をよじり反転していった キトキトの槍鳥賊の光景が鮮やかに蘇ってきた。

それはキット、なまめいた命の翻りがちょうど間に張られた蜀網の旗めきや、彼岸の帳に明減する蛍の羽音のような振動となって、 彼女の作品に深く脈打ち流れていたからに違いない。

眞鍋恵美子は、早乙女の如く墨筆を手にタプローの上に一本足で立ち、危ういパランスを取りながら、虹彩を絞り、 視線に素走る稲光を目に、翻っては美しい虹を目にする。
その、彼女の作品に波打つ、生のニガリの香りと亡びの慌惚が、作品の張りと吸引力との呼吸となって観る者を撃つのだ。
そして、その光と闇、更生と亡びが回転して鋭く対峙するこの磁場にこそ、 立ち上がり、飛翔してくる薫り立つエロスの群れを彼女は目撃する。

又、眞鍋恵美子が、一転して間の幕を切って落としたようなコラージュの作品群は、陰りの一片たりとも残さず払拭し、斉宮に張られた蜘蛛の巣に、万華鏡を磐す。
その建設現場には、柔な波に揺られ始が更した量気楼や、夢遊の遊子、白日夢の幻影など、 全て削ぎ落とし、その断面に、彼女は自らの骨を刻みタテガミをなびかせる。

そして今も、眞鍋恵美子は、表裏一体としての墨とコラージュの作品群を漂流させ、時には急ぎ涙となり、表現者の姿勢と輪郭のエッジを鋭く研ぎ出し、キトキトの<命>を立体化し破水し続けてゆくことであろう。

清水 晃

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